いつもと何ら変わりのない生活のなかで、わたし達はたくさんの音たちと出会っています。

キーボードをたたく音。 椅子に座るときの背もたれがきしむ音。 コップがコーヒーで満ちているときの音。

風が耳を撫でる音。車が通り過ぎる音。人が町を歩いてる時の音。

 

難聴となったとき、きこえていたはずのたくさん音たちから隔てられてしました。

人の声が聴こえ難かったり、聴こえ無かったり、自分に自信が無くなったり…

どんなに辛いとき、苦しいときにも、希望は残されています。

 

 

階段を一生懸命に登るだけにとらわれず、歩いてきた足跡を眺めてみよう。

時々座って休憩をして、あせらずに、じっくりと、一緒に歩いていこう。


イージーリスニング

 イージーリスニングとは、優しく柔らかい音源を用いた音楽です。

難聴があると相手の声に集中したり、聴き返すことが増えるため、ストレスを感じることがあります。

イージーリスニングのように、心地よい生活環境を構築して、こころのリラックスをはかりましょう。


 

Hearing Voices

~声の聴き取り~

 難聴があると、音は聴こえても、言葉の聴きこえ難いです。聴き取りのポイントやヒントを参考にして、少しずつ会話にチャレンジしてみよう。

1.環境の調整

テレビの音を小さくしたり、窓を閉めることで、環境音が減り、言葉が聴こえやすくなります。

2.視覚情報の活用

相手の表情や口の動きなどから会話の内容が少しだけ理解できます。また、話している状況、話しのテーマや流れも手がかりにしてみましょう。

3.利き耳の活用

耳は左右で聴覚機能に違いがあり。右利きの人は右耳は言語、左耳は音楽が聴こえやすいです。自分の利き耳をみつけてみよう。

4.相手に協力を仰ぐ

聴こえなくても、うなづいてしまいがちですが、聴こえないときは、ハッキリと「きこえない」と相手に伝えて聞き返したり、ノートテイクをお願いする事も大切です。



 

Night Ear Healing

~みみの休息~

 私達は毎日、たくさんの音達に囲まれて生活しています。

 睡眠中も音の刺激で、耳と脳は働き続けています。

 寝るときに耳栓をすることで、音の刺激が減り、安眠の

 効果が得られます。

【耳栓の種類】

 ・ウレタンスポンジ型の耳栓(安価)

 ・シリコンゴム型の耳栓(柔らかい素材)

 ・シリコン粘土型の耳栓(遮音性が高い)

【耳栓使用時の注意】

 1.耳を乾かし湿気や蒸れを防ぎましょう。

 2.耳栓は毎回掃除。清潔を保ちましょう。



 

Noise Defender 

~騒音の対策~

 鼓膜は直径8mm厚さ0.1mmと小さいです。

 長時間騒音にさらされると鼓膜や内耳にダメージを与え、

 聴力低下のリスクとなります。

【危険な騒音】

 1.85dBの騒音を8時間以上聴き続ける

・電車や地下鉄の車内

・映画館、カラオケのスピーカ付近

 2.110dBの騒音を15分聞以上聴き続ける

・音楽プレイヤーの最大音量

・ライブハウスやロックコンサート

【騒音の対策】

 1.60/60ルール

音楽プレイヤーのボリュームは60%までにする。

連続60分間聴いたら、60分は耳を休めましょう。

 

 2.防音グッツ

コンサートや騒音がある場所では、耳栓を使いましょう。
有害音だけ遮音して、人の声が聴こえる耳栓もあります。
 ①スパークプラグMoldex)     [リンク:メーカー紹介ページ]
 ②ソニックディフェンダー(Surefire)[リンク:メーカー紹介ページ]
 ③サンダープラグ(Dirigent)    [リンク:メーカー紹介ページ]

 

 3.電車内の音楽視聴に注意
騒音レベルの高い電車内で、音楽を聴き続けると、ヘッドホン難聴になります。どうしても聴く必要がある場合は遮音性の高いヘッドホンを使おう。


 

Healing EQ

~聴こえの調節~

 感音性難聴は、声や音が聴こえ難いです。

 きこえの幅(ダイナミックレンジ)が狭くなるのも特徴です。

 近年、補聴器はデジタル式で高性能な物も増えてきました。

 認定補聴器専門店ではモニター制度があり、補聴器の調整

 フィッティングも無料で行えます。

 また、騒音環境においてはノイズカットの耳栓を使用する事で

 不快音を軽減することもできます。

 長時間のイヤホンはよくないですが、ノイズカットイヤホンは、

 騒音を減らし、低音量で視聴でき、耳の保護につながります。

 1.補聴機器

①デジタル補聴器   [リオネットweb] [シーメンスweb] [スターキーweb]

 ※各認定補聴器店では、相談、フィッティング等ができます。

②補聴器アプリ EasyHearingAid     [リンク:紹介ページ]  [AppStore]  

③集音器フェミミ VMR-M910  [リンク:メーカー紹介ページ]

④集音器みみ楽デジタル     [リンク:メーカー紹介ページ]

 2.ノイズカットの耳栓

①ソニックディフェンダー  [リンク:メーカー紹介ページ]

デジタル耳栓       [リンク:メーカー紹介ページ]

 3.ノイズカットのイヤホン

①ATH-ANC23    [リンク:メーカー紹介ページ]

②QuietComfort     [リンク:メーカー紹介ページ]



 カラダの健康管理は、聴力の維持と向上につながります。

健やかな生活習慣を身に付けるとともに、自分の聴こえの傾向を把握して、自己理解を深めたり、周囲に自分の聞こえづらいことや配慮して欲しいことを伝えることが大切です。


 

Assess Hearing

~聴力を確認しよう~

 普段、自分の聴力や聞こえについて知る機会は少ないです。聞こえ難いなと感じたとき、耳鼻科を受診して、聴力検査を受けましょう。

1.聴こえのチェックリスト

  □会話中に聞き返しがよくある
  □後ろから呼びかけられても気がつかない
  □聞き間違えが多い
  □話し声が大きいと言われる
  □会議など数人の会話でうまく聞き取れない
  □電子レンジやドアチャイムの音が聞こえない
  □相手の言ったことを推測で判断する事がある
  □テレビやラジオの音量が大きいとよく言われる

(※) 2つ以上チェックがついた場合、耳鼻科に相談しよう。

2.耳鼻科を受診する

 ・耳鼻咽喉科の検索 [リンク:日本耳鼻咽喉科学会]

 ・東京都医療機関案内サービス [リンク:東京都]

  (※) 聴力検査は、3割負担で約1,100円です。

3.聴力検査アプリ

スマートフォンとイヤホンで、純音聴力の簡易検査ができます。(結果は、大凡の値です)

・iPhoneアプリ①:uHear [リンク:App Store]

・iPhoneアプリ②:聴力 & 耳鳴り改善 [リンク:App Store]

・Androidアプリ①:聴力検査 [リンク:Play Store]



 

Ear Maintenance

~みみのメンテナンス~

 日頃から耳や鼻のメンテナンスをすることで、聴力低下を予防することができます。帰宅後の手洗いうがい、マスクの使用も大切です。

1.耳の掃除

耳の掃除は耳垢による聴力低下を防ぎます。

耳の奥まで行うと外耳や鼓膜を傷つけてしまいます。

耳の入り口から1cmまでにしましょう。

綿棒を使うと耳垢を奥に押し込むので注意。

2.手洗いうがい

鼻や口から入ったウイルスや細菌は、喉にくっつきます。

帰宅後は、必ず手洗いうがいをして、かぜやインフルエンザを予防しましょう。

・イソジンうがい薬   [リンク:メーカー紹介ページ]

3.鼻をかみすぎない

鼻と耳は、耳管でつながっています。

風邪や鼻炎になると聴こえにも影響します。

鼻を強くかむと鼓膜へのダメージとなるので注意しよう。

4.加湿器とネプライザー

部屋が乾燥すると、鼻や喉の粘膜から細菌やウイルスの侵入してかぜや発熱の

リスクとなります。湿度40%以下のときは、部屋に濡れタオルを干したり加湿器を

つけて、湿度50~60%に保ちましょう。また、家庭用ネプライザーを使用すると、

鼻や喉の保湿や、鼻詰まりを解消できます。

(家庭用ネプライザー)

・オムロン NE-S19     [リンク:メーカー紹介ページ]

・パナソニック EW6400P  [リンク:メーカー紹介ページ]



 

Hearing Exercise

~きこえのエクササイズ~

 有酸素運動を行うことでカラダの血流を高めて、聴力の維持に一定の効果があるとも言われております。適度な運動は、体力を養いストレス解消にも効果があります。

1.ジョギング

 ①ジョギングをする前に、水分を確り摂る。

 ②防寒対策(帽子、手袋、襟巻)。運動後は着替える。

 ③無理せず、ゆったりマイペースに行いましょう。

 ④走りだしはゆっくり。習慣的に行いましょう。

【注意事項】

 ・ジョギング中は、耳に痛みを感じる場合があります。

  血流が良くなり、鼓膜や耳のリンパ腺に刺激するのが

  原因と考えられますが、無理せず病院に受診しよう。  

 ・イヤホンで音楽を聞きながらの運動は聴力低下や交通

  事故のリスクがあります。危ないので控えましょう。

2.スイミング

 ①耳の中に水が入らないように、ビート板や平泳ぎがおすすめです。

 ②水中ウォーキングやエクサザイスは有酸素運動となり脂肪燃焼に効果がある。

 ③鼓膜穿孔があっても、耳鼻科医と相談のもと、シリコン型耳栓をして水泳が

  できる場合もあります。先生と、じっくり話しあってみましょう。

  ・Macks シリコン耳栓 [リンク:メーカー紹介ページ]

【注意事項】

 ・内耳に水が入ると中耳炎や、平衡感覚を失って、溺れてしまう場合がある

  で注意ください。

 ・深く潜水をしたり、激しく動くと耳栓が外れてしまうので注意ください。



 

Hearing Rehabilitation

~きこえのリハビリテーション~

中途失聴・難聴者に一定程度効果があるとされるリハビリテーションを紹介します。

1.短期記憶ワーキングメモリトレーニング

 1日1回、音読と漢字書き取りなどの脳トレを行うことで、幅広い創造性と記憶力が身に付き、言葉の音韻や語彙の記憶量が増強して、会話の修復能力(聞きもらした言葉を補う力)が増強されると、言葉が聞き取りやすくなるといわれています。

  ①脳を鍛える大人のドリルシリーズ(1日10分間で1冊60日間分収録)

  脳を鍛える大人のドリルシリーズ  [くもん出版の紹介ページ]

  ・第1巻:名作音読、漢字書字

  ・第2巻:名作音読、記憶テスト

  ・第3巻:3つの数のたし算ひき算

 

  ②本や新聞を読む(活字、音韻の学習)

   ・著作権フリーの無料図書 [青空文庫] [PJ杉田玄白]

   ・無料ニュースサイト [読売] [朝日] [毎日] [中日] [日経] [CNN] [WSJ]

   ・電子リーダー  [Kindleストア]

 

 ③ゲームでトレーニング

  ・トランプ  神経衰弱    [無料:げーむのつぼ]

 ・カードゲーム  アルゴ [メーカー紹介ページ]

 ・Nバック課題      [無料:nバック]

 ・3DSフラッシュ暗算  [メーカー紹介ページ]

 ・3DS脳を鍛える鬼トレ [メーカー紹介ページ]

2.語音明瞭度トレーニング

ラジオを聴きながら、自分の聞き取りにくい言葉について理解を深めよう。

同音異義語を学んだり、ゲームやアプリで楽しくトレーニングしよう。

また、色々な人の声やたくさんの言葉に耳が慣れることで、言葉が聴き取りやすくなります。

 ①リスニング

 ・無料ネットラジオ    [radiko]  [NHKらじるらじる]

 ・朗読を聴く      [青空朗読]

 ・快聴モード付ラジオ  [メーカー紹介ページ]

 ・タブレットの活用   [Fireタブレット]

 

 ②同音異義語を学ぶ。

  ・国語辞典を索引して音韻や言葉数を増やす。[リンク:goo]

 

 ③対話型 聴取訓練アプリ

  ・サウンドアンドウェイビヨンド [リンク:コクレア]

  ・同ソフトの英語版(無料)  [リンク:PC] [リンク:iPhone]

 

 ④ゲームでトレーニング

  ・かるた、百人一首  [リンク:かるたオンライン]

  ・Wii用ゲーム キキトリック [リンク:任天堂]



 

self introduction

~自己紹介、伝え方のコツ~

 相手に、自分の聴力を説明をすることは、勇気が必要で、どうしても躊躇してしまいますし、まだまだ、職場や学校等、地域社会で、聴こえない人、聴こえ難い人への合理的配慮は充足しているとはいえません。 相手に、カミングアウトをするメリットは、周りへ理解を仰ぎ、コミュニーケーションの支援や配慮が得られるきっかけとなり、難聴・中途失聴者に対しての社会啓発にも繋がっていきます。

「聞こえない」「聞こえづらい」ことを説明をして、「配慮してほしい事項」を伝えることも、コミュニケーションを改善するために大切です。また、積極性や意欲を示し、信頼を獲得することで、周囲の理解や協力を得られやすくなります。

1.自己紹介のポイント

 (1) わかりやすく伝える

 (2) 正確伝える

 (3) なるべく面白く伝える

 (4) 相手に関心をもっていただく

2.みみヘルプカード

 周りに支援をお願いしたい時、カミングアウトするとき等にご自由にご使用ください。パソコンを使って、名刺用マルチカード用紙にプリントアウトをして作成します。

 ※A-ONEマルチカード用紙A4サイズ  [メーカー紹介ページ]

  (余白設定は、上下11mm、左右14mm)

ダウンロード
みみヘルプカード印刷データー
mimicard_cover.pdf
PDFファイル 505.3 KB

.シンボルマーク、絵カード

 ①耳マーク

「聞こえない」ことが、相手に適切に伝わり、理解をして頂ければ、

適切な配慮を受ける事にもつながります。

耳マークは、全難聴協会の利用申請をすれば、だれでも無料で

自由に必要できます。

 ②ヘルプカード

周囲に自己の障害への理解や支援を求めるための

意思表示カードです。各自治体(役所)で配布

しており、手帳がない方でも使うことができます。

 ③オージオグラムの表示

名刺や自己紹介カードにオージオグラム(聴力図)を入れて、

相手に説明するのもよいでしょう。

(1) 聴力レベル(軽度、中度、高度)

(2) デシベル(右耳○○dB、左耳○○dB)

(3) 可聴域(高い声、女性の声が聞き取り難い等)

(4) 支援内容(ゆっくり話して欲しい、筆談希望等)

※オージオグラム作成サイト [リンク:聴力図作成]  

④NTT電話お願い手帳

耳や言葉の不自由な方が、用件や連絡先などを書いて、周囲に協力をお願いする際に使用していただくものです。各自治体(市役所)で配布しています。

※スマホ電子版あり [リンク:NTT] 

④スマホのコミュニケーションツール

「こえとら」は、音声認識技術や音声合成技術を活用することにより、聴障者と健聴者とのスムーズなコミュニケーションを支援するスマートフォンの無料アプリです。

 [リンク:NICTこえとら]