スタンフォードのストレスを力に変える教科書

TED (カンファレンス) 

ケリー・マクゴニガル:「ストレスと友達になる方法」

https://www.ted.com/talks/kelly_mcgonigal_how_to_make_stress_your_friend?language=ja

 

~ストレスは害ではなく自分を守ってくれているもの~

多くの福祉従事者は、人助けをしたい、人の役に立ちたいという気持ちを基盤として日々業務に携わってます。ストレスに耐えながら頑張りすぎた結果、バーンアウト(燃え尽き症候群)や、アパシー(介護鬱)となる方が増えています。ストレスの解消法として、気分転換や休養をとることが大切です。

スタンフォード大学 心理学者ケリー・マクゴニガル博士は、テド・カンファレンスにて、ストレスと友達になる方法と称して、ストレスの新しい科学を提唱しています。

 

 【講演の概要】

スタンフォード大学では、社会人1000人を追跡調査して、ストレスが及ぼす身体的影響とレジリエンス(折れない心)を調査研究しました。

社会的ストレス実験では、「ストレスは健康に悪いと感じているグループ」は、重大なストレスでも小さなストレスであっても、ストレス反応により心拍数が上がり、心血管が収縮して、心不全のリスクが43%高まりました。同じストレスでも「ストレスは無害と感じているグループ」や「育児や親の介護をしていて、相手への思いやりに時間を費やしたグループ」では、心拍数が上がっても心血管は正常で、疾病の増加は無く、0%でした。

ストレスに対しての考え方が変われば、ストレスに対する体の反応を変えることが実証されました。ストレスの反応による、高鳴る鼓動は、次の行動に備えて体が準備をしていて、呼吸が速くなっても、まったく問題はなく、脳により多く酸素を送り込んでいると捉えるようになった参加者は、ストレスや不安が少なくなり、自分に自信が持てるようになりました。

 

ストレスのない生活を目指すという事よりも、ストレスを感じた時に、「目の前の課題にチャレンジする勇気」や「人とのつながり」、「相手を思いやる気持ち」という人間の持つ力を呼び覚ますことが、ストレス社会で健やかに、たくましく生きていくコツなのだとケリーは語っています。